退職後の日常

退職後の日常

町内会とマンションとわたし

時は二〇二〇年二月。実家の祖母が亡くなって一か月余りが過ぎたころで、まだ実家の大片付け・大掃除や、日々の生活だけでやっとの頃である。ある日、同じマンションに住む方がチャイムを鳴らした。一体、何のご用だろうと出てみると、来年度はうちが順番上、...
退職後の日常

結婚式のおわりとその後のはじまり

家には、依然として大きな白い箱があった。その中身は、ウェディングドレスである。結婚式を終えて帰宅したあの日から、2020年の時点ですでに六年が経過している。その大きな白い箱は、動線の妨げにならないようある時までは押入れの中に、その後は棚の上...
退職後の日常

人生の夏休みとパールのネックレス

ずっと『人生の夏休み』が欲しいと思っていた。恐らく二十代の終わりごろには、年単位で休むことができたらなぁと思い始めていた記憶だ。ずっと前から願っていた時間は、四十歳を目前に退職することによって得られたのだが、もはや余力は残っていなかった。ス...
退職後の日常

夜のはじまり

退職後の日常は、夜のはじまりだった。それは朝が来たら忘れてしまう夢の中の出来事のように、現実感がない現実のようなもので、常に頭の中がぼうっとしている。17年余りの勤務は大変なことの連続ではあったけれど、今ではとても満足している。特に、非常に...